夕暮れ時の明治通りを歩くと、原宿の古着屋のウィンドウに残照が映る。人通りはまだ多く、若い買い物客がショーケースを覗き込む。そんな街の温度感が、服飾学生が企画する古着ショー『back in vogue』にも自然と現れているように感じられた。
今回の主題:なぜ“新品を作らない”学生ショーが注目されるのか
服飾学生団体「Replus」による『back in vogue』は、古着のみを素材に再編集したファッションショーだ。経済的制約の強い学生制作という側面と、気候や資源に対する意識の高まりが重なり、単なる卒業制作の延長線を越えた動きになっている。
ポイントは次の通り:
今日のポイント(3つ)
- 一点物の再構築が“即売・連携”へ直結:ショーで披露された服は、そのまま販売やショップとのコラボに繋がるケースがある。
- ストリートの流通回路を書き換える実験場:原宿、下北沢、高円寺といった古着の密度が高い地域と学生の発表が接続している。
- 経済性とサステナビリティの両立:新品制作をしない選択が、コスト削減と循環型の表現手法に結びついている。
Replusの取り組みと“場”としての意味
取材や公開情報によれば、Replusは古着を解体し、パーツを組み替え、まったく新しい“一点物”を生み出すプロセスを重視している。服作りは単なる技術披露で終わらず、ショー会場が即売スペースや地元ショップとの接点になりやすい点が特徴だ。
原宿や下北沢の古着店は昔から若手の発表やコラボレーションの受け皿になってきた。今回は学生側から能動的に“売り場”や“流通”を作りにいく構図が見え、消費者も受動的に見るだけでなく、参加して買って支持することで循環に直接関わることができる。
なぜ今、この形が響くのか
背景には二つの流れがある。一つは学生世代に広がる経済的現実――制作費や素材費を抑える必要があること。もう一つはサステナビリティへの感度だ。新品を生み出さず既存のものを再編集する行為は、資源の再利用という文脈でも評価されやすい。
加えて、SNSやマーケットプレイスの発達により“一点物”が即座に消費者と繋がるようになった。ショーを見に来た人がその場で購入し、店と学生が連携してポップアップや委託販売を始める──こうした短い循環が、地域の古着ビジネスの新たな回路になり得る。
現場で見える具体的な動き
- ショー後の即売:ランウェイで披露した服がそのまま販売されることで、制作と商売の距離が縮まる。
- ショップとの連携:原宿・下北・高円寺の古着店が学生作品をピックアップしてポップアップを企画する例が増えている。
- コラボレーションの芽:リメイク技術やバイヤー経験を通じて、学生が店主や若手ブランドと共同制作するケースが出てきた。
今日からできる取り入れ方
このムーブメントを日常のファッションに取り入れる方法は意外とシンプルだ。少しの工夫で“循環”に参加できる。
- 古着ショーやポップアップに足を運ぶ:見るだけでなく、買う・感想を伝えることで作り手と店の関係を支える。
- 一点物を選ぶ習慣をつける:量より質で、長く着られるものを探す。リメイク意欲のあるアイテムを選ぶと可能性が広がる。
- リメイクへの発注や依頼を試す:自分の古着を持ち込み、学生やリメイク職人に手直ししてもらうのも手軽な参加方法。
- 地元の古着店と会話する:店主に学生作品やイベント情報を聞くことで、新しい発見が生まれる。
現場に立つことの意味
発表を見るだけでなく、会場で買う、取材する、店と話をする──これらの行為が次世代ブランドの発掘や循環型ファッションの支持につながる。東京のストリートは受け手のリアクションで動く部分が大きく、参加者の行動一つで流通の回路が変わることもある。
最後に:街と若手クリエイターをつなぐ役割
Replusのような学生主体の試みは、一過性のイベントにとどまらず、原宿〜下北〜高円寺という古着文化圏と接続することで長期的な影響力を持ちうる。新品を作らないという選択は、制約をデザインの源泉に変え、地域のマーケットプレイスと結びついた新しい表現につながっている。
まずは実際に会場を訪れて、現場の温度感を確かめてみてほしい。見て、話して、買うことが、次の循環の一歩になります。
今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか?
※本記事は公開情報や取材を基に執筆しています。詳細な日程や出展者情報は主催側の公式案内をご確認ください。